予定調和のサイバーサイファ@地球

宇宙からの電波を受信中

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ファンタジーの始まりは突然

朝、空気が冷たい。今日はいつもより冷えている。カーテンの隙間から差し込む日差しが透明感をもって私を起こしてくれた。

時計を見る。まだ少し早い。休日だが予定はある。布団から抜け出す。ミルクをマグカップに注ぎ、電子レンジで温める。TVを点けるとアナウンサーが冬の到来を告げる。

目が覚める前の夢のことについて考えていた。
彼はコロニーに住んでいて、エンジニア兼ドライバーだった。マシンレースの。
規格が決められており、簡易な整備で走ることの出来るスペースカー。原動力は感情エネルギー。エモスペーサーと呼ばれている。感情のエネルギーを原動力として変換する事が可能になり、個々の人間のエモーショナルな面においての価値が急激に上昇した。その事によって社会からの激情に対する抑制が解放され、感情的であることが許容される時代となった。激情を持つ人間は大きなエネルギーを生成し、有益に社会に還元されている。地球から離れた彼らは、独自の文明を築き上げている。現在、地球の住人には一部の権力者にしか存在が知らされていない。彼らは紀元前からすでに地球を離れていたのだ。しかし、最近になって彼らは地球の住民との接触を図るため、政府に対し使者を送り会合の場を設けていた。あと数日で合意の上での地球住人に対する周知が行われる予定だ。

その日に向けて彼はエモスペーサーを操り、地球に向かって飛んでいる。
そんな夢だった。

温めたミルクを飲みながら、窓から空を見上げる。晴れている。
青い空に大きく真っ白な入道雲がかかっている。
あの雲の間から、レースマシンが飛んできて、私をどこかに連れて行ってくれないだろうか。
TVが速報を告げる。画面が切り替わる。記者会見だ。国の正式発表。内閣総理大臣直々の。なんだろう。

「国民の皆様にお伝えすべきことがあります。地球外生命体との接触が確認されました。正確に言えば、私たちと同じ祖先を持つ、人間です。彼らは紀元前に地球を離れた高度な文明を持っています。彼らは私たちに友好関係を求め、交易する事を望んでいます。私たちよりも非常に高度な文明を持っており、彼らとの交易は、我々をより高度な文明社会へと導くでしょう。今後、飛躍的な科学技術の向上と共に、生活レベルの向上が期待されます。彼らはすでに人間の寿命までの資源を自給自足できる技術を確立しており、その技術の提供を申し出ております。生活不安が消え、より豊かに人生を営めるようになるという大きな夢が今実現しようとしています。今後、慎重に協議を重ね、技術輸入の実施を行うために国際的に委員会が組織され――――――。」

「うそ、うそだ。ほんと?ほんとに?」
思わず口に出てしまった。しかし、総理大臣は話し続ける。チャンネルを変えても同じ記者会見が映し出されている。手元のスマートフォンを手に取りTwitterを思わずのぞく。地球外生命体との接触の話題でいっぱいだ。

「国を挙げた壮大な釣りだろ」
「宇宙人とギシアンできる時代キター!」
「信じられない。こんな時代が来るなんて」
「フォース使えんじゃね?あいつら」
「ただただ唖然としてるんだけど」
「どこの夢物語だよバーロー!」

私はミルクを一気に飲み干し、窓を開け、空を見上げる。
あの夢の続き、夢の続きが現実のものとなっている。
ほっぺたをつねる。痛い。痛いよ。起きてる。目は覚めてるし、TVからは今もその話題。

雲の隙間から何かが飛んでくる。物体。UFO。出た。すごい勢い。
こっちに向かってくる。すごいスピードで。速い。どんどん大きくなる。
こっちに向かってくる。赤色。車みたい。レースマシンみたい。
フォーン、ブオンビュオン。通り過ぎた。すごい速さ。一瞬。乗ってる人見えた。
夢に出てきた彼。


絶句。
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  1. 2011/11/27(日) 00:10:38|
  2. 散文
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  4. | コメント:0
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